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切りぬいた空のむこう

おくいただしの切ったり貼ったりさぼったり…

『さばくのえんとつ』

『さばくのえんとつ』

狭い空いっぱいに
ひろげた翼
僕のコンドルは飛んで行く
教室の窓から
誰かの弾くギターの音にのって

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久々の『さばくのえんとつ』の更新です。
この本の話はページ順を追って少しづつ
大人になっていくような構成になっているんですが、
更新さぼったり、抜かしたりしてる間、
どうやら中高生あたりで足踏みしてました(笑)

どうぞ気長に成長を見守ってくださいね。

『さばくのえんとつ』


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そこから夜空が見えました。
僕らのたまり場だった 古いプレハブ倉庫の天井に
穴があいていたのです。
誰とはなく その下に集まってきて
みんな黙ったまんまじっと天井を見上げていました。
空にはたくさんの星がありました。
僕はたばこを深く吸い込みました。
吐きだしたけむりは
小さな夜空にすいこまれていきました。

『さばくのえんとつ』


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「いってきます」
玄関にならんだ
ぼくと父さん
いがいと重たい学生カバン
つかいこんだ茶色のカバン

どちらの中にも同じように
かあさんの作ったおべんとう

『さばくのえんとつ』


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金色のボタンを
いちばんうえまで
しっかりかけて
照れくさげに きをつけする僕

タンスの奥から
ひっぱりだした
よそいきの着物で
そわそわする母さん

大袈裟な一眼レフを
三脚にとりつける
いつもより
早起きの父さん

やけに眩しい春の朝を
瞬きの中にとじこめて
新しい季節が はじまります

『さばくのえんとつ』


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すべりだいの向こうがわに
かえっていく太陽を
息をはずませ追いかけて
かじかんだ指先で
うしろがみをひっぱってみる

追いかけっこの鬼のままで
泣きべそかいて家へ帰る

冬休みの日時計は
進みすぎていて
こまるのです
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