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初めて買ったレコードは『恋のぼんちシート』でした。
平和堂の4階の電器屋さん兼レコード屋さんで、小遣いを握りしめ誇らしげに「ザ・ぼんちのレコードはありますか!」って店員さんに聞いて抱かえて帰った45回転のあの頃。

初めて人前で歌ったのは『演歌チャンチャカチャン』
おひねり欲しさに親戚の集まった年会の酒席で、紙で作った蝶ネクタイをしめて「男ご~こおろに おとこ~がほれ~て チャンカチャカチャカ」と舞台に立ってたお調子児童。

中学になり、いろんな音楽を聞くようになり、当時流行ってた音楽雑誌みたいなものの記事を読んで愕然としました。
好きなアーティスト達がインタビューで
「初めて買ったのは、ボブデュランで、兄貴のギターをこっそりと・・・」とか「オーティスレディングの切なそうな声に震えて・・・・」みたいなカッコイイルーツ。
やばい・・・・歌手にはなられへん!。マーヴィン・ゲイのシャウトじゃなく、こっちは「おさむちゃんで~す!」。兄貴のギターどころか、こちとら徳利をマイクにチャンチャカチャン・・・・。「とある交差点で悪魔に魂を売り渡し、ブルースを手に入れた」的なかっこいいエピソードとは、てんで無縁・・・・。雑誌にインタビューを受ける自分を思い描いて半ば本気で心配していた妄想思春期中学生でした(『そ~なんですよ 川崎さん』笑)。

そんなバラエティー色の濃い音楽経験でしたが、近所のニシケンのお兄さんの録音してもらったメタルテープの高級感(懐かしい 笑)や、レコードに針を落とす瞬間のドキドキは、何かのカタチで今の自分につながってるのかもしれないですね。

さて、震災前に、ロックバンドのクウネル・ダ・サイクルのメンバーの方から、すごく丁寧なメールをいただきました。以前目にしてもらった作品に、共感してくださって、ココロや音楽に影響を与えてくれたアーティストのひとりとして、ライブイベントの中に取り入れてもらえることになりました。
いろんな表現方法、いろんな方向性、様々な色やカタチものや、人との出会いが、生きて行く中でそれぞれのルーツとしてつながっていく。
自分の作品が、誰かと出会うことで、また新しい力を得る。
そう考えるとすごく心強いですね。

14日の土曜日、池袋で「My name is …」っていうライブです。
観にいけないのが残念ですが、ステキなライブになることを祈ってます。